私的整理と法的整理

経営破綻を防ぐために!

荒木弁護士

経営が行き詰った場合の手段として事業再生があります。

しかし、実際にどんな方法で事業再生に踏み込めばいいのかわからず悩んでいる経営者が多いのです。

ここでは、私的整理、法的整理のどちらを選べばよいのか説明していきます。

実際に、それぞれにメリット・デメリットがある上、各企業によって進むべき再生方法が違いますので注意しなくてはなりません。


民事的事業再生方法(私的整理)

私的整理とは、すなわち裁判所を通さないもののことを言います。

法的整理と対比して別の名を任意整理と呼ばれています。

私的整理の代表的なものはM&Aや会社分割など、債務者と債権者の合意によって行われる事業再生の方法です。

私的整理のメリットとしては、まずその手続が簡単でフレキシブルであることがいえます。

さらには秘匿性があるため、「倒産した会社」などと企業イメージを損なう恐れが無いというメリットがあります。

しかし、裁判所が関与しないため、債権者とのトラブルが生じることも少なくなく、債権回収に非社会的勢力が介入するという被害もあります。

また、債権者間の公平性が問題となったりするという短所があることも事実です。


倒産寸前の企業再生手続き(法的整理)

法的整理とは、すなわち裁判所の介入の下、破産法、民事再生法、会社更生法などの法的手続によって倒産処理を図る手続きのことです。

法的整理は、私的整理に比べるとコスト高で手続の柔軟性も悪く、さらに、倒産企業のレッテルを貼られるため経済的ダメージが生じるというデメリットがあります

しかし、裁判所の関与によって手続が進行するため、手続の透明性や公平性が担保されます

もちろん債権者に対して法的な拘束力を行使できるというメリットがあります。

そこで、法的整理が適しているのは、債権者などの利害関係者数が多い場合、再建の可能性が極めて低い場合、破産するよりも弁済を受けることが可能であるという場合の大きく3つだと考えられます。


ベストではなくともベターを選択するべき

上述したように、私的整理と法的整理のどちらにもそれぞれにメリットとデメリットがあります。

どちらを選択するにせよ法律に精通している専門家の知識が必須です。

まずは弁護士事務所に問い合わせすることから始まります。あなたに一番合った事業再生法を一緒に探していきましょう。

ベストではなくともベターな選択を図るためにも早めの行動が必要です。


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