子どもの車内置き去りを防ぐ「幼児置き去り検知システム(CPD)」とは
事務局のHです。
先日、静岡県牧之原市で、3歳の女の子が幼稚園の送迎バスに置き去りにされ、熱中症で死亡する痛ましい事件が起こりました。
昨年の7月には福岡県中間市の保育園で同様の事件が起こったばかりでした。
車内の確認や登園情報の確認など女の子が車内に残っていることに気づけるタイミングがあったにもかかわらず、最悪の事態になってしまったことについて、関係者の意識の低さや管理の杜撰さが指摘されています。
炎天下の車内温度は、エアコンを停止して約1時間後には50度近くに上昇するといいます。
健康な大人でも熱中症にかかる温度ですので、幼い子どもを置き去りにすることは絶対に避けなければなりません。
送迎バスだけではなく、個人の車でも、幼児を置き去りにする事故は起こりえます。
後部座席で静かに寝ていたり、後ろ向きのチャイルドシートで運転席から姿が見えなかったりすると、車に載せていたことを忘れてしまうことがないとは限りません。
過去に実際に起こった事例として、父親が出勤途中に子どもを保育園へ預けるのを忘れてそのまま職場で勤務し、車内に置き去りにされた1歳児が死亡する事故がありました。
このような置き去り事故を防止するために開発されたのが、「幼児置き去り検知システム(CPD)」です。
これは超音波センサーで停車後の車内の動きを検知し、通知を行うもので、ヒョンデやキアなど韓国メーカーの最新機種ですでに導入されています。
欧米ではセンサー式CPDの搭載を義務化する動きも起こっているそうです。
しかし、導入による車両価格の上昇や、「毛布にくるまっている子どもを検知できるか」といった技術的な問題など、普及までにはいくつかの障壁があるようです。
かつて最先端の機能だった衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)も、2021年11月から搭載が義務化されています。
同じように、近い将来、日本でCPDの搭載が義務化される可能性は十分にあるでしょう。
もちろん、機械に頼りすぎることも良くありません。
CPDが搭載されていない車では置き去りの防止は親の注意にかかっています。
今回の静岡県の事故も、関係者の意識や管理体制により防げたものでした。
取り返しのつかない事態を防ぐためには、子どもの命を預かっているという意識を強く持ち、常に注意を怠らないことが必要です。
9月に入りましたが、福岡ではまだ30度を超える暑い日もあります。
子どもと一緒に車で外出するときには、置き去り事故に十分にお気をつけください。