福岡県在住の40代男性が過払金100万円を回収できた事例
相談・依頼のきっかけ
平成8年頃からアコム株式会社と取引をされている相談者です。
自分で取引履歴を取り寄せたところ過払いが発生しているかもしれないということでご相談いただきました。
当事務所の活動
受任後、すぐに過払い金の計算を行ったところ、約100万円の過払い金が発生していることが分かりましたので、すぐに裁判を提起しました。
ご来所時、平成23年頃からにアコムからの働きかけで債権放棄書を提出したということでしたので、仮に過払い金が発生していたとしても既に債権放棄しているということで争われる可能性がありましたが、債権放棄の有効性も含めて裁判で争うこととしました。
当事務所が関与した結果
訴訟提起後、やはり、アコムは既に債権放棄しているという理由で0円という回答をしてきました。
しかし、債権放棄書の内容が不明確であったこと、放棄書作成当時アコムから本人に対して過払い金請求に関する説明や取引履歴の開示がなされていなかったこと等の理由から債権放棄の有効性を争いました。
そうしたところ、最終的に、当方請求をほぼ認める総額100万円で和解が成立いたしました。
弁護士の所感(解決のポイント)
消費者金融との間で長年取引をしていると過払金が発生している可能性がありますが、債権放棄書を取り交わしている場合には、過払い金の返還請求も放棄したものと扱われ、発生した過払い金の返還が認められないことがあります。
債権放棄の有効性が裁判で争われた例は多くあり、裁判では、放棄書の文言、放棄書作成に至る経緯(取引履歴が開示されていたか、過払い金請求についての説明があったか、借主が過払い金が発生していることについて認識していたか等)によって、有効性が判断されています。
今回は、債権放棄書にサインはしていたものの、
- 債権放棄書の文言が不明確で依頼者が有する過払金返還請求権をも放棄する内容か不明であったこと
- 放棄書はアコムによる一方的な説明のみで取り交わされていたこと
- 放棄書作成にあたって取引履歴が開示されていなかったこと(あくまでも依頼者から聴取した話ですが)過払い金請求については別窓口で対応するとの説明を受けたこと
等の理由から債権放棄書は無効であるとの主張を行いました。
その結果、債権放棄書は無効な書面であるという前提のもと、当方請求をほぼ認める内容の和解が成立いたしました。
このようにいったん債権放棄書を作成してしまっている場合であっても、その有効性を争うことができる場合はありますので、是非一度ご相談ください。
過払い金とは、簡単に言えば債務者が貸金業者に返し過ぎたお金のことをいいます。
もう少し詳しく説明しますと、債務者が消費者金融等の貸金業者から利息制限法の利率を越える利息で借入れをしている場合に、利息制限法に引直計算をした結果算出される、本来であれば支払う義務のないお金のことをいいます。
法改正により現在の金利は18%以下になっていると思いますが、過去に20%以上の金利で5年以上借り入れ・返済を繰り返していた方は、過払い金が発生している可能性が高いです。
なお、現在は、完済された後、過払い金返還請求をした場合はブラックリスト(信用情報機関)に登録されません。
ですので、将来的に金融機関と新たな契約を行う場合、過去の過払い金返還請求が新たな契約に影響を及ぼさないといわれています。
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